case事例

中小企業が採用市場で勝ち、エンゲージメントの高い仲間を集めるための採用広報とは?【後編】(株式会社Be&Do様)

大阪市北区に本社を構える株式会社Be&Doは、Webアプリケーション「Habi*do(ハビドゥ)」(https://habi-do.com/)の開発、導入運用支援を行っている企業です。

https://be-do.jp/

社員数11名という規模ながら、2011年の創業当初からWebを通じた企業広報や採用広報に取り組んでいたというBe&Do。採用市場では、売り手市場も相まって、中小企業では、「母集団すら集まらない」「人材採用が難しい」と言われる中、そのほとんどの社員をリファラル経由で迎え入れることに成功しています。そのポイントは、積極的な外部への発信でした。Be&Doの自社広報の取り組みの狙いや背景、そして、この規模感でも自社の採用オウンドメディアを通じた外部発信に取り組むべき理由とは何なのか。ポイントを探っていきます。(取材/編集:株式会社FanReC 道場)

前編からご覧いただくと、内容をより理解いただけます。
前編はこちらから:https://arimama.net/case/489/


インタビューした人

橋本 豊輝(Toyoki Hashimoto)

株式会社Be&Do取締役執行役員/COOとして、マーケティング、セールス、企画・開発など事業推進の舵取り役を一手に担う。前職では、新卒採用の求人広告・採用コンサルティングのセールス、営業企画などの経験を持ち、マーケティングオートメーションツール「SATORI」のエバンジェリストでもある。

小西 ちひろ(Chihiro Konishi)

1年越しのリファラル採用にて、2020年5月に株式会社Be&Doに中途入社。前職は人事として、採用・教育を担当しており、Be&Doへの転職を機にセールスへとコンバート。


自社採用メディアが、初めて転職する私に安心感を与えてくれた

道場
ここからは、実際に自社採用メディアを見て、リファラル経由で最近入社をされた小西さんにも参加してもらって、ユーザーサイドとしての意見も聞いてみましょう。小西さん、Be&Doさんとしては、自分たちが掲げている「人と組織のイキイキ」を体現する会社として、この自社採用メディアを届けていたそうですが、実際にユーザーとしてご覧になられて、どのように感じましたか?

橋本
なんか、これ逆に緊張するね(笑)。見定められているみたいで。小西さん、参考にしたいので、ぜひ率直に意見ください!

小西
はい(笑)。経緯からお話しすると、ちょうど1年前の昨年の6月くらいに前職の先輩だった方から紹介をしてもらってBe&Doを知ったのがキッカケでした。その前から、ライフイベントの関係で関西に引っ越しをすることが決まっていたので、実際に転職をするのは1年先ではあったんですが、前職に勤めながら、自分にマッチする仕事を探すために情報は収集していました。HR関係の企業など、いろんな企業を見ていた中で、橋本さんと前職時代の同僚だった私の先輩の方が、「Be&Doっていう会社があるよ」と教えてくれまして。「もし本気なら、つなぐこともできるからまた言ってね」と話をもらったんです。

道場
では、Be&Doさんを知ってから、入社されるまでに1年くらいはウォッチしていた感じなんですね。すごいですね。どのような転職活動軸で仕事を探していたんですか?

小西
前職では、人材採用と教育研修を6年間メインでしていたこともあり、自分の転職活動に対しても、非常に関心が高かったんですね。もともと営業志望だったということもあり、企業のマネジメント側ではなく、利益を生み出す側に回ってみたいというのがありました。採用業務そのものは自分にとってもやりがいもあったのですが、現場の最前線で、利益を生み出す経験していないと、自身のキャリアも伸びていかないんじゃないかと思っていたんですね。HRの領域も好きだったので、その領域の知識を活かせる形のセールスができる仕事ってあるのかな?何かな?という軸で探していたイメージですね。

Be&Doのことを教えてもらった時に、早速、「どんな会社だろう」と思って会社のホームページを見てみたんですが、残念ながら、その時は求人募集が出てなかったんですよね(笑)。でも、この規模の会社の場合、「求人募集が出るタイミングは一瞬だろう」と思っていたのもあって、1か月に1回くらいは、定期的にホームページにアクセスしてウォッチをし続けてきました。Be&DoのホームページのURLをブックマークして、スマホのトップに忘れないように置いていたんですよ(笑)。

道場
「遠距離で、じっくり実らせた恋」って感じですね(笑)。しかも、かなり長い期間、追いかけてきたんですね。

小西
そうなりますね(笑)。他にも様々な企業も見ていたのですが、コネクションがあるからこそ、不義理をしたくないと思っていまして。自分の中でいろんな選択肢を検討して固めてから、Be&Doの採用選考を受けるタイミングを決めようと思っていました。いよいよ転職も間近に迫ってきて、2020年2月くらいにちょうどタイミング良くBe&Doの求人募集が出たんですよ。「やっと出た!」と思って、このタイミングを逃したらダメだなと思って、紹介元の方にも久しぶりに連絡をして、Be&Doの紹介をしてもらったんですね。

橋本
ここでも、つながりが生み出したリファラルなんですよね。紹介してくれたキッカケはもらいましたけど、育ててくれたのはスタッフブログ(自社採用メディア)です。コツコツと継続して運用してきて、小西さんの目に留まってくれて、やってきた甲斐がありましたよ。

道場
最初の質問に戻るのですが、そのような経緯の中で、Be&Doさんが取り組まれていた自社採用メディアは、小西さんにとって、どんな影響を与えたんですか?

小西
最終的に入社を決めたのは、先ほどお話ししたような転職活動軸の中で、自分のやりたいことに近かったというのもあったんですけど、やはり、自社採用メディアから発信される内容が、安心感を与えてくれたと思っています。初めての転職でもあったので、少なからず不安もありましたし、転職が上手くいかない人たちも身近で見ていましたので。結局のところは、入社してみないとわからないのですが、自社採用メディアで発信されている社員の人柄や会社の雰囲気、それと、そもそもですけど、この11名という規模の会社で、自社採用メディアで発信をしているということは、人に対する興味・関心が高いという表れなんじゃないかなと思ったんです。事業内容からも、人をないがしろにする会社ではないだろう、ということは想像できましたし、衛生的な要因でプラスに働いた部分が多かったですね。

道場
小西さん自身がやりたいこと、その選択軸が明確だったのもあって、最終的な決め手となる不安払拭に役に立ったということですね。採用メディアで得られた情報は、この会社の空気感や人柄などが理解できて、実際に入社した後も、思った通りでしたか?

小西
そうですね。事前に採用メディアを通じて見ていたので、実際に初めてBe&Doに企業訪問した時にも、「あ、オフィスも採用オウンドメディアで見たままだ」「記事で出ていた人だ」とか、事前に得られた情報とほとんどギャップがなかったので、安心しました。実際に現地に行って、確認作業をしたという感じですね(笑)。

道場
自分たちのありのままの状態を、包み隠さずにオープンに出していたからこそですよね。

橋本
そうですね。そこは狙って運用をしていたわけではないですけど、認識のギャップなく、社員の人柄などを感じ取ってもらえたのは嬉しいことですね。


事業広報と採用広報はリンクさせる

道場
先ほどの小西さんのお話で、「11名という規模の会社が自社の採用オウンドメディアをやっていること自体が安心感につながった」ということなんですが、同じくらいの規模感の企業が、採用オウンドメディアを取り組むとしたら、何から始めたら良いと思いますか? どういったポイントがあれば、上手く運用ができるのでしょうか?

橋本
そもそも論になるかもしれませんが、当社くらいの規模の場合は、経営トップが覚悟を決めて、自分たちの情報を外部に発信をするということを理解しておかないと始まらないなと思います。その上で、次の一歩かなと思いますね。

道場
そうですよね。Be&Doさんでは、「やってみよう」という精神と、石見社長や橋本さんなどの経営者の方々が自らも発信されていますもんね。何か採用観点で、KPI指標をおいて運用はされていますか?

橋本
そこは、あえて設定していないですね。自分たちの取り組みを中長期視点で、しっかりと伝え、理解をしてもらうということを主目的に置いていますので。自社採用メディアの他にも、自社プロダクトのHabi*doのブログコンテンツもあり、そちらもしっかり強化したいと思っているんですよね。当社では、便宜上、分けてメディアを運用していますけど、事業そのもののKPIと同じく考えています。当社のような規模感ですと、定期的に人材を採用しているわけでもないと思いますが、今回の小西の事例のように、必要なタイミングで自社が採用活動をしたいと思っても、資産がないと求人の告知をしても反響は得られませんからね。

道場
事業の広報・PRの意味合いをメインに据えつつも、来たるべき機会の採用活動にも活かせるように、中長期目線でコンテンツを蓄積し、資産化しておくという考え方ですね。

橋本
そんなイメージですね。事業の顧客向けに届けることを主目的としていたとしても、求職者に対しても届くようなコンテンツになっていれば、上手くリンクさせられると思っているんですね。人にフォーカスを当てているのも、そういった理由です。これまで見てきた中でも、志望度の高い応募者の方は、コーポレートサイトのプロダクトや採用メディアの中身も本当に隅々まで見てくれる人が多いんですよ。だから、お互いに話もとんとん拍子に進むし、短時間であっても、深くまでコミュニケーションを取れるんですよね。

道場
たしかに。企業・求職者双方にとって、事前に情報を得られている内容を確認したり、深めたりする時間として面接などの時間を使えますもんね。濃い時間を作れそうです。これくらいの規模感だと、採用オウンドメディアと事業広報・PRをそこまで切り分けてやるというのも大変なので、上手くリンクさせられるか、がポイントかもしれませんね。

小西
そう思いますね。きっと事業に関連付いていると、必要な予算も捻出しやすくなりますしね。経営者も売上に貢献するものである方が、投資に納得しやすいですよね。


情報をオープンにして、社内外全てのステークホルダーに届ける

橋本
「自社のことを認知してもらうために、事業の発信と採用の発信を同時にやっていきましょう」ということにコミットしていく。事業として発信することが、ひいては、採用活動にもつながっていきますし、自社の様々なステークホルダーに対して、自分たちのことを知ってもらうことにつながります。

また、この取り組みをしていくプロセスも大切にできると良いですね。取り組みを過程で、「みんなでやっていく」「やっていいですか?」という文化も生まれていくと思うんです。それが、組織風土の形成にも繋がっていくってことはあるんじゃないですかね。当社には、小西の前に入社したばかりの方もいるんですが、「採用メディアで載せるためのインタビューをしていいですか?」と話をもらったんですよね。入社したばかりのフレッシュな人が、既存の社員にインタビューをしてくれまして。会社や仲間の理解など、自分のためにもやっていたというのもあるんでしょうけど、社外・社内向けの広報としてやってアウトプットを意識して取り組んでくれたんです。もちろん、小西の入社のように広報的な効果もありましたけど、社内のインナー向けには、社員どうしのお互いの理解を深めることにつながったという、意外な効果も大きかったんですよ。

道場
そのお話は、他社さんでもよく意外な成果としてもお伺いする内容です(参考:エンジニア採用をするためにWebコンテンツメディアとTwitterの運用を開始したら、1ヶ月で採用に至った話。(株式会社コラビット様))。規模の大小に関係なく、社員の信頼関係ができてないということも結構あって。それを解決する1つの方法として、クローズで社内報としてやるのも悪くはないと思うんですけど、せっかくやるなら外部に発信をして社内にも同じように見てもらうことで、透明性の高い状態って作れると思うんですよね。

社内報だと、クローズになってしまって、社内にいないと見ることができない状態がもったいないと思うんですよ。それこそ、様々なステークホルダーである、従業員の家族にも見てもらいたい、その周辺の人たちに見てもらいたい、となった時にオープンの状態の方が圧倒的にメリットって大きいと思うんです。一石二鳥以上の効果があると思っています。

橋本
僕は、一人ひとりにスポットライトを当ててあげることは、とても大切なことだと思っているんですね。昔、野球やっていた時に、一人ひとりの珍プレーや好プレーにスポットライトを当てて、ブログで記事を作ったりしていたんですよ。それによって、参加していたメンバーが嬉しくなって、みんなの出席率も上がるわけですよ。もちろん、練習試合の問い合わせもガンガン入るようになりました。こういったスポットライトを当てることは、中小企業だと人数が少ないことを逆手に取って、やりやすいことだと思うんですよね。

道場
そうですね。自分たちの自己開示をして、コミュニケーションのハードルを下げることをしっかりと経営者が判断をするということが大切ではあると思うんですけど、その次には何が大切ですか?ノウハウや運用のマンパワーが無いというのが、意思決定の次にハードルとして出てくると思うんですけど、それがネックで取り組めない企業も多いとお伺いすることが多いのですが。

橋本
まずは、スモールスタートで1つの部門だけでもいいから、「まずをやってみましょう」が良いと思いますね。最初は道場さんのところのような会社とパートナーとしてタッグを組んで、社内でメディア運用の担当者も付けて、ノウハウを一緒に吸収していくことで、自走できるようにもなるんじゃないかと思います。そういった形で、まずは負担が大きくない程度に小さく始めて、ステップバイステップで大きく育てていくみたいな進め方が良いんじゃないかなと思いますね。

道場
そうですね。先ほどのように、事業広報ともリンクさせつつ、スモールスタートさせるのが良さそうですね。

橋本
メディアの運用は長期戦です。ですので、継続して取り組むための運用の定着がポイントですね。分かりやすい数字目標も大切なんですけど、「バズるコンテンツなどを作らなきゃ!」となってしまうと運用疲れをしてしまいます。まずは、人を通じて自社をどう見せるか、そういったコンテンツの中身にこそ、こだわった方が良いと思います。採用面でも、定着面でも、情報のギャップがあっては逆効果ですからね。


中長期視点で、コンテンツをWeb資産化する

道場
たしかに、そうですね。採用活動って、細かく分解すると、「集める」「残す」の2つだけだと思うんですけど、ほとんどの場合、「集める」の改善にフォーカスされ、「残す」の改善には目を向けられないことが多いように思います。しかし、価値観の多様化や労働力人口減少、売り手市場などを考えても、母集団の量を改善できる方法は、コストを投下すること以外、あまり方法は無いんですよね。「残す」をどうするかに、もう少しフォーカスしないといけないなと思います。長い目で見れば、離職率、エンゲージメントスコアなど、そういった部分にも好影響を与えるんじゃないかなと思いますね。

小西
私の経験も含めてお話しすると、既存の母集団形成の方法だけでは限界もあるし、広がりも無いという気持ちは、どこの企業さんも持っていると思います。でも、「採用オウンドメディアを運用する力がない」と諦めたり、「まだ先だよね」と棚上げしてしまっていることも多いのではないかと感じますね。

道場
そうですよね。私は、採用活動において認知されにくい、BtoBの企業ほど、やった方が良いと思っています。とは言え、予算やリソースの比率を急に変えられないので、時間軸の設定が必要だなと。だからこそ、中長期視点なんだと思います。予算であれば、例えばですが、短期施策100%から、短期施策を70%、中長期施策を30%とするだけでも、先々の自社の価値作りにつながる取り組みは出来ると思っています。

橋本
そういう意味でも、コンテンツの蓄積がないと意味がないと思います。中長期で見ると、逆算で結果を出したい時から考えれば、今からやらないと。3〜5年後の成果を考えると、今からやっていれば、逆に優位に立てる自社の資産になるはずです。

道場
そうですね。コンテンツをストックしていくことで、SEOなどの観点で見ても、Web上の資産になる。Webを攻略しようとしているかの発想も必要ですよね。

橋本
人材採用活動においても、Webの知見もますます大切になりますね。これからは、エンゲージメントが大切だと言われているように、ゆるい信頼ベースありきじゃないと難しくなってくると思うんですよね。私たちが考えている成果の出る会社の特徴って、3つのポイントがあるんですよ。

【1】目標が明確:ビジョンが明確であること
【2】プロセスが共有されている:どんな取り組みをしているか可視化されていること
【3】信頼関係ができている:承認、賞賛があること

の3点が大切だと考えています。だからこそ、自社の社員だけではなく、社員の家族、ビジネスパートナー、派遣スタッフの方々、アルバイトの方々、など自社に関わってくれる全てのステークホルダーに対して、プロセスを見せることが大切ですよね。どこに向かっていて、何のためにやっているのか分からなければ、モチベーションの上げようもありません。みんな、意味のある仕事をしたいんです。

道場
同じ目標を追う仲間ですもんね。アウターだけではなく、インナーの観点でも自社のことを発信することは大切だと改めて再認識させていただきました。本日はありがとうございました。


ポイントのまとめ

・自社の採用オウンドメディアがあることで、求職者に安心感を与えられる
・事業広報と採用広報はリンクさせる
・情報をオープンにして、社内外全てのステークホルダーに届ける
・中長期視点で、コンテンツをWeb資産化する


—–

〜お知らせ〜
当社FanReCでは、「arimama」というサービスブランドのもと、HRに特化した採用オウンドメディアの構築・運用支援サービスを提供しております。そこで、採用広報・PRの観点で、採用コンテンツメディアを通じた採用の取り組みを先進的に行っている企業様の取り組みをご紹介するコンテンツを作成し、マーケットに対して有益な情報をお届けしております。

採用広報コンサルティング・採用コンテンツ支援サービス『arimama』ほか、当社の事業およびサービスに興味・関心をお持ちの企業様は、お問い合わせフォーム(https://fan-rec.com/contact/)よりお気軽にお問い合わせください。

「採用戦略の大きな枠組みから再構築したい」「採用広報に関するノウハウが無い」「採用の課題は感じているが、何から見直したら良いか分からない」「求人票・スカウトメールなどのコンテンツ改善、選考歩留り(移行率)を改善したい」「伴走してくれるパートナーと取り組みたい」という各社ごとに異なる状況に応じて、まずは詳細なヒアリングの上、最適なご提案をさせていただきます。