knowhowノウハウ

【採用人事向け】2ヶ月で20社のカジュアル面談を受けて気づいたことを元に、カジュアル面談「虎の巻」を作りました。

企業の採用支援をさせていただく身として、ダイレクトリクルーティングなどで興味をお持ちいただいた求職者の方々へ、カジュアル面談の実施も併せて動機形成の促進をお願いされるケースも増えきました。

そもそも「カジュアル面談」とは?

バスケの先輩である、もなきさん(@monakix1016)の記事を引用させていただきます。

『来年は「カジュアル面談」って呼んで「面接」をしないで下さいね』
———————————
「カジュアル面談」とは…
肩肘張らずに、気軽な気持ちでオフィスに来て、ざっくばらんに話そうよという企業側からの誘いをキッカケに対峙する接点
———————————

これまで、1000名以上の方々のカジュアル面談を通し、実施する側の目線でいろいろと書いてきましたが、実施する側ばかりではなく、求職者として面談をされる側を体験してみようと思い、いくつかのカジュアル面談に参加させていただきました。その実体験から、気づいたことを虎の巻としてまとめてみました。採用選考の歩留まり向上や魅力付け(アトラクト)にお悩みに人事の皆さま、ぜひ、ご覧ください。


20社の「カジュアル面談」を受けて気づいたこと

「企業起点」か、「求職者起点」か

・企業起点(カジュアル面談をする方=企業)
・求職者起点(カジュアル面談を受ける方=求職者)

まずカジュアル面談を受けさせていただき、感じたことの大きなひとつが「企業起点に立って面談する企業が多い」ということ「自社の情報をお伝えすれば、必ず興味を持っていただけるだろう」という前提の面談だと感じました。実際には、受けてみた個人的な感想は「へぇ、そうなんだ。」くらいの気持ちです。もちろん、少なからず興味を持ったのでカジュアル面談を申し込んだわけなのですが、いきなりドバーッとお話しされても…というのが正直な気持ちでした。

また、面談(=口頭)だからこそ聞けない情報開示をしていただける企業も少なかったように思いました。「その内容は調べたら出てくるんじゃないか?」という内容がかなり多いように思いました。面談じゃなくてよかったのに…ということは結構あったように思います。


「情報量を増やす=応募率が上がる」は間違い

カジュアル面談をする企業起点でお話しいただくことが必ずしも間違いではないと思うのですが、それは比較的その企業に対して興味度が高い求職者にしか刺さらない内容だと思います。もちろん、カジュアル面談をされる求職者は、転職を検討し、実際に活動をしている方々なので、転職に際して必要な情報は多い方がベターなのはわかります。

しかし、一番大切なことは「そのユーザーにとって重要だと思っている情報」が「適切に量として提供されているか」どうかだと思うのです。この点を履き違えてしまうと、「たくさんの情報提供をしたのに、どうしてカジュアル面談後に応募してもらえないのだろう?」となってしまいます。


言うことみんな、一緒説

「当社は○○な環境なのでスキルアップできますよ」「成長市場ですよ」「こんな経験が積めてチャンスがありますよ」など。内容自体は違うかもしれませんが、どこの企業も言うことは一緒に思えました。

「スキルアップできる環境」「成長市場」「経験やチャンスがある」のは事実でしょう。しかし、その企業で「どれだけ成長できるか?」は求職者の実力と頑張り次第であって、そこを魅力ポイントとして訴求するのは「企業起点」での内容だと感じました。

この点に類似するのが、中途入社者の方で「○○業界から転職してきたメンバーや○○職で活躍していたメンバーなどが在籍しています」というもの。

一見、活躍しているメンバーの業界や職種をもとに「業界未経験or職種未経験でも安心です」と伝え、「同じような業界や職種出身でで活躍している人が多いのだから自分も大丈夫だ」と思ってもらえることが目的でしょうが、「それってその人次第なところがあるんじゃない?」と思ってしまいました。(自分ゴトとして捉えにくかったということですね)


「何かご質問はありますか?」という企業からの質問で感じたこと

冒頭に企業起点でお話しをされているので、正直、質問はほぼありませんでした。聞き疲れたというのが本音。

その中で、これらの枕詞を並べて質問をしました。
「○○というキャリアを考えているのですが…」
「○○をしたいと思っているのですが…」
「○○な経験を積みたいのですが…」

これらの質問に対して、具体的な事例をもとに「できます」「できません」と回答をいただくのはありがたかったですが、質問に対しての回答を得るだけになってしまいました。それ以上を望むのは高望みだと思うのですが、自分が思ってもないような提案をいただくという体験はありませんでした。


事前に聞いていた話と違う!?

例えば、「配属予定部門の責任者が面談に参加します」と言ってたのに出席されていない。面談と言いつつも、実は面接だった。採用要件に書いてない応募要件が面談の場で判明するなど。

また、事業責任者の方などとの会話で、事業戦略やサービスの今後について「教えて」「助けて」のスタンスで事業の相談をされるなども。事前の話と違うと、不信感につながりますので気を付けたいものです。


まとめ

20社の面談を通じて感じたのは、
「求職者に会うことが目的」になっているケースが多い。
■企業と求職者のお互いの可能性を探りながらすり合わせをしようとすることが出来ていない、企業側のスタンスのズレが影響しているのではないか
という点です。


カジュアル面談「虎の巻」

これらをもとに自分なりにカジュアル面談についての虎の巻を作ってみました。


求職者の起点に立った内容を

自社のことを話す前にやるべきことはこの2つ。

(1)求職者の「期待値」を知る
(2)求職者の「軸」を知る

これらを理解するために行う求職者への質問の一例がこちらです。

(1)求職者の「期待値」を知る
「今回、話を聞いてみようと思っていただいた理由は?」
「当社のどの部分に興味をお持ちいただけたのか?」
「今日はどんなことをお聞きしたいのか?」…etc

(2)求職者の「軸」を知る
「そもそも、今回の転職を考えられた経緯は?」
「会社選びなど、転職における軸は?」…etc

求職者の価値観は様々であり、求職者ごとに聞きたい内容や何をどう伝えるのが最適なのかを測る上で、私が必ずしている質問です。

例えば、「スキルアップをしたい」という言葉ひとつとっても、その人にとってのスキルアップしたと思える状態は様々。「自己研鑽に励み、自分の中で納得できる状態を作り出せているという実感を持つことがゴールなのか」「周りから”あなたはここが武器だよね、強みだよね”と認識をしてもらうことがゴールなのか」によっても、何をどう伝えるのかは変わってくると思います。

ですので、ここは「○○なイメージと○○なイメージとどちらが近いですか?」など、「あなたにとって適切な情報提供をしたいので、是非教えてください!」というスタンスで臨む姿勢が重要だと思います。


回答ではなく、提案を

上記を踏まえて、求職者ごとに「○○という印象を持ったのですが、イメージとして認識あっていますか?」などを繰り返していきます。実際に質問内容などがあった場合は、「○○さんの志向性をお聞きしていて、○○なことをされたい方と認識をしております。そちらを踏まえてお答えすると、○○なポジションで○○なことをやっていただくことが最適かと思うのですがいかがですか?」と具体的な提案をします。

もちろん、過去に同じような志向性を持ち、入社してきたメンバーの事例があれば、「入社後どういう思考で、どんな経験をし、いま何をしているのか」など具体的な事例も必ず入れるようにしています。

ここでのポイントは、求職者にとって「自分だけへの提案」かどうか。

「今までの経験やこれからの展望などを明確に理解してもらえているなと感じてもらえているかどうか」、そして、それらを踏まえて「自分のやりたいことや目指しているゴールを具体的に考えて提案をしてもらえていると感じてもらえるかどうか」の2点が大切です。


最小の時間で、最大の効果を狙う

カジュアル面談をしていると、求職者の方からいただく質問項目や面談で聞きたい内容が似てくるなと思います。

例えば…
・今回の採用背景は?(求人情報に載っていない情報)
・募集している職種に、何を求められているのか?(なぜ自分がお声がけされたのか?)
・どんな社員が在籍しているのか?(経歴や人物像など)
・評価制度や働き方、福利厚生について

など

これらの中で、求職者の方がされる個人的な質問に関する話は口頭で伝え、上記のように定型的な内容に関しては、FAQ(よくある質問集)として、記事を作って面談後にお送りするようにしています。

例えば…

・今回の採用背景について
事業部長や役員などに登場していただき、今回の事業上のビジョンやそのために必要だと思っていること、どんな部分を強化したいのかなどをお聞きし、「そのために必要な人材とは?(要件、マインド部分)」をインタビュー記事としてコンテンツを設けておく。

・どんな社員が在籍しているのか?(経歴や人物像など)
「スキルアップしたい」「裁量を持って働きたい」「モダンな技術に関わりたい」など、過去に応募いただいた求職者の志向性と同じような理由で転職をしてきたメンバーごとに、「実際に入社した後にどんなことをやっているのか?」など、苦労したこと、今感じていることなどをインタビュー記事としてコンテンツを設けておく。

・評価制度や働き方、福利厚生について
評価制度について、働き方について、福利厚生などについてもそれぞれ記事としてコンテンツを設けておく。

面談時には概要だけをお伝えし、「今日お伝えしきれなかった部分や詳細は、面談終了時に記事をお送りするのでご参照ください」と伝えることで、面談時間の削減になり、求職者にとっても事前に調べられる情報以外のより濃くリアルな情報提供ができるので効果的です。


繋げる意識を持つ

面談時だけで意向醸成を行い、応募してもらおうという意識を持たないようにすることも大切かと思います。自分が持っている情報を伝えることはもちろんですが、その求職者にとって必要な情報提供ができる別の社員がいるのであれば、そのメンバーとの面談を次回セットして伝えてもらう意識も大切です。

例えば、類似する転職軸を持って入社してきたメンバーがいるのであればその社員に面談の依頼をするなど。ただし、ここで大切なのは、ユーザーの方に意図を伝えて、選択権を与えて、求職者の方に判断をしてもらうことです。そうすることで、より高い体験価値を提供できると思います。


さいごに

長々と書きましたが、つまりは、「求職者にとって、最適な情報を提供すること」が大切だと思います。

少なくとも面談で応募をいただけなかったとしても、いつかどんな形で関わるかはわかりません。ご縁を大切にし、求職者起点に立って、真摯に向き合い続けることが大切です。

採用広報コンサルティング・採用コンテンツ支援サービス『arimama』ほか、当社の事業およびサービスに興味・関心をお持ちの企業様は、お問い合わせフォーム(https://fan-rec.com/contact/)よりお気軽にお問い合わせください。

「採用戦略の大きな枠組みから再構築したい」「採用広報に関するノウハウが無い」「採用の課題は感じているが、何から見直したら良いか分からない」「求人票・スカウトメールなどのコンテンツ改善、選考歩留り(移行率)を改善したい」「伴走してくれるパートナーと取り組みたい」という各社ごとに異なる状況に応じて、まずは詳細なヒアリングの上、最適なご提案をさせていただきます。

<関連リンク>