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なぜ応募率が2.8倍も跳ね上がったのか?−採用広報観点からエンジニア採用のスカウトメールを分析−

CASE
・業態:ニッチ領域において圧倒的なシェアを誇るパッケージメーカー
・募集職種:エンジニア採用
・効果:応募率2.8倍UP!!

エンジニア採用の良くある課題

スカウト返信後の面談にて、「どんな部分に興味を持っていただいたのか?」を直接応募者の方にお聞きする中で、応募に至るまでの過程を詳細に聞いてみた結果「見えてきたこと」を公開します。

まず、エンジニア採用支援のご依頼をいただく際に多いものとしては、大きくこの2つがあります。

■エンジニア採用の課題

①スカウトメールの応募率やエージェントからの推薦数を増やしたい。
(=母集団形成をしたい)

②選考辞退・内定辞退率を下げたい、内定受諾率を上げたい。
(=工数対効果を改善したい、決定率を上げたい)

※要するに「採用ができていないんだ!」と。

これらの課題は、当社FanReCでも、本業としているHRに特化した採用オウンドメディア構築・運用支援でも「どんなコンテンツを作って自社をPRしたら良いのか?」「エンジニアの方が興味を持っていただくための切り口は?」など、コンテンツに関わるご相談をいただくことが多いので、以下の部分にも触れながら採用広報(または採用マーケティングなどと世間では言われている)の視点からもお伝えします。


スカウトメールの文面はシンプルにした方が効果が良いのか。-スカウト文面量と応募率の相関性-

以前使われていたスカウト文面はこちらです。リニューアル前のもので、これは某採用コンサルティング会社が作成されたもの。

【リニューアル前のスカウト文面】- Before –

<エンジニアポジション>

・スカウト文面のダウンロードはこちら

<プロジェクトリーダーポジション>
・スカウト文面のダウンロードはこちら

※PCよりダウンロードいただけます。

長文だと候補者に最後まで読んでもらえないと思って、シンプルなものにしているとのこと。

ビズリーチやdoda Recruitersなど、ダイレクトリクルーティングサービスを提供している会社の知り合いに聞いても意外と良くあるスカウト文面のようです。その理由はわからなくもないですが、私がリニューアルする場合は、シンプルさはあまり求めていません。むしろ、結構なボリュームで書いていることが多い。

私がスカウトメールを書くときに意識していること、実際にやっていることは何かを考えてみました。

■スカウトメールを書くときに意識していること

<量的な視点>
・受け取っていただきたい層(=採用ペルソナ)に対して、必要な情報は全て記載する。
・ボリュームが多くなったとしても、読みやすさを意識してカバーすると大丈夫(だと思っています)。

<質的な視点>
・「自社が書きたい内容=エンジニアが知りたい情報なのか?」を考える。
・スカウト文面と求人票のそれぞれで「伝えたいメッセージは何か?=読んでもらった時の状態」を考える。
・文脈(=構成)の流れを考える。

結果的にできたのが、こちらです。

【リニューアル後のスカウト文面】- After –

<エンジニアポジション>
・スカウト文面のダウンロードはこちら

<プロジェクトリーダーポジション>
・スカウト文面のダウンロードはこちら

*PCよりダウンロードいただけます。


スカウト文面を科学してみる。何が応募率向上のための一番のキーなのか?

文章の構成をまとめてみました。

それぞれの項目と意識したことについて、解説します。

■評価点

職歴より魅力に感じた部分技術面(特に自己PR欄や自身の強みとして記載されている部分)と志向性面(こちらも同様)の2軸で記載する。詳しく記載することがベストですが、ポイントとして箇条書き程度でも良い(と思っています)。

■スカウトメールを送った理由

最近よく「こんな方にご案内しております」と項目として付け加えて、
出身企業群(SIer出身者など)や技術面(Javaを強みにされている方)など、自社が求めている簡単な概要まとめを記載することもやってみましたが、具体的に自分事としてイメージをお持ちいただき応募に至るケースも増えました。

他にも例を挙げると…
・UI、UXを意識した開発経験をお持ちである方(今後そういった知識や技術を習得したいと思っている方)
・大手SIer出身でより上流工程の経験を積んでいきたいとお考えの方..etc

■会社概要

端的に箇条書きで書くことをお勧めします。IR情報や簡単な計算で定量的に自社がPRできそうなポイントを意識します。下記のような内容で、自社をPRできる数字を出そうと思えば探せるものです。

名称未設定2.001

■参考記事

これは絶対に添付した方が良いです。
応募率がほぼ2倍になります。(※内容にもよりますが…)
ここで記載しているのは、会社に関する参考情報です。
社長や役員の取材記事やプレスリリースなどでもOK。

■採用背景

採用をするための目的にあたる部分。
「増員」と言えばそれだけなのですが、「なぜ?」という部分は必ず記載しています。
私がよく記載するのが、「事業観点から見る採用背景」
事業のこれまでと(=過去)、現在とこれから(=未来)の3軸で記載していることが多いです。

・現在:現状のシェア率や影響力など
・過去:上記をなぜ達成できているのか?
・未来:マーケットの将来性や変化の中で、今後どんなことをしていく必要があるのか?技術面は?会社としての大きなテーマは?など。

■採用を通して実現したいこと(=ビジョン)

採用背景の「未来」の部分を詳細に書いているイメージです。
何をしたいのか?どうやってやるのか?という視点です。

■上記を達成すべく、あなたにご案内してます

採用背景とビジョンを達成するために、あなたにご案内をしています。
という文脈です。

■業務内容

採用背景とビジョンが見えると何が求められているのか?
「どんなことをしないといけないのか」が求職者におぼろげにでも伝わっている状態を意識。

■参考記事(ブログコンテンツの記事など)

会社概要の参考記事とは別の視点のものを添付しています。
事業に関することや技術的なことなど。
事業の過去、現在、未来がわかるもの、実績、エンジニアブログなどを添付すると効果が高い傾向があります。
※むしろ、これらを見て応募される方が大半(な気がしています)。

■年収

これはさらっと記載。

■依頼事項

基本的には、「カジュアルにお会いしたい」と記載しています。

■全体の流れ

上記に記載したものを全体の流れにすると、こんな感じです。

あなたの○○な部分に魅力を感じてご連絡させていただきました。
「評価点」
  ↓
実は○○な方と是非お会いしたいと思っていまして。
「スカウト理由」
  ↓
申し遅れました。私こういう者です。
「会社概要」(自称)「参考記事」(他称)
  ↓
今こんなことをやろうと思っていまして…。
「採用背景」
  ↓
結果、こんなことを目指しているんです!
「ビジョン」
  ↓
なので、あなたにご連絡をさせていただいたんです!
「あなたにご案内してます」
  ↓
そのために、こんなことをお願いしたいと思っているんです。
「業務内容」
  ↓
やってきた中でこんなことがわかってきたんです!
「参考記事」(エンジニアブログなど)
  ↓
こんなところで記事にしていただいたんです!
「参考記事」(取材記事やイベントレポート、取材記事など)
  ↓
こんな条件でご検討いただけませんか?
「年収」
  ↓
もっと詳細なことをお伝えさせてください!
「依頼事項」

欲を言えば、こんなものも入れたかったのですが…
文字数制限の関係上、省略し、求人票に記載しました。


こんな仲間が働いているんです!
「社員紹介」

こんな環境があるんです!
制度や文化」など

※文脈的には「参考記事」と「年収」の間でしょうか?


実は一番大切?スカウトメールの分量、内容ではなく…あるものがキーに。

採用広報(=採用マーケティング)観点で考えるとこんな感じでしょうか?
転職時におけるユーザーの行動とそれぞれの項目がカバーする領域をまとめてみました。

191004_FanReC会社紹介資料 (1).001

伝えたいこととしては、興味・関心を持っていただくために何をするのか?ということです。

人が興味を持つときはどんな時なんだろうと考えました。

こんなことがありました!」「こんなことをやっています!」などの事実だけで興味を持つ方もいると思っています。

ただ、その事実の裏にある背景や意図、その過程など見えない部分を知って共感やおもしろそう!と感じた時に、大きく興味を持つものだと私は思っているので、自分だったら興味を持つか?という視点を常に持っている気がします。


それは文章量や内容ではなく、「文脈」だと思っています。

まとめ

①「自社をどう魅力的に表現をするか?」という視点を持つことが大切。

自社が魅力的に映る状態を作るために、難しいことは何もないと思っていて、
自社の中に答えはあり、他社やマーケットはあくまでも自社を引き立たせるための素材でしかないというのが私の持論です。素材集めと、それをどういう流れ(=文脈)でユーザーに届けるのか?を意識するだけで大きく変わってきます。

②参考記事など、自社らしい表現物や表現方法を持つ意義は非常に大きい。

採用広報観点で伝えた内容と重複しますが…。取材記事やブログ、社員のインタビュー記事などは自社にとって大きな資産になるので、用意しておくことは十分に意味があると思っています。SNSなどが発展してきているので、どこで誰に読んでもらえるかわかりませんからね…。

③運用力がものを言う。

スカウト文面の内容や構成は、それぞれのKPIである応募率など定量的にウォッチしていくことはもちろん、実際に面談内で求職者に「どんな部分に魅力を感じていただけたのか?」「興味をお持ちいただけたのか?」を詳細に聞いており、そこから得られたフィードバックをもとに何度も修正しています。
※文言や文脈の流れや順番などは、合計10回ほどは変えました。

また、参考記事の内容やエンジニアブログの中でも、「どんな部分に惹かれたのか?」も同様です。

一般的なユーザーが、自社をどう認識(行動フローの興味・関心、理解の部分)したのか、日々アンテナを張り、随時アップデートをしていくことが大切です。

採用広報コンサルティング・オウンドメディア構築・運用支援サービス『arimama』ほか、当社の事業およびサービスに興味・関心をお持ちの企業様は、お問い合わせフォーム(https://fan-rec.com/contact/)よりお気軽にお問い合わせください。

「採用戦略の大きな枠組みから再構築したい」「採用広報に関するノウハウが無い」「採用の課題は感じているが、何から見直したら良いか分からない」「スカウトメールなどのコンテンツ改善、選考歩留り(移行率)を改善したい」「伴走してくれるパートナーと取り組みたい」という各社ごとに異なる状況に応じて、まずは詳細なヒアリングの上、最適なご提案をさせていただきます。

株式会社FanReCでは、エンジニア採用をはじめ、採用難易度の高い採用職種においてもご支援実績がございます。「ダイレクト・リクルーティングで効果が上がらない」「開封率や歩留率が良くないので、採用につながらない」「効果をもっと上げたい」「求職者に刺さる採用コンテンツを強化したい」などのご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。